ガベジンにはどんな微生物がいるでしょう?
コンポスタの中では微生物が働いていることに疑問の余地はないと思いますが、どんな微生物がいるのでしょうか。
近年分析装置の開発とともに微生物の研究が進んでいますが、生態までわかっているものはほんの一部のようです。
個々の働きまでは特定できなくても、どんなタイプの微生物がいるのかを知るべく微生物解析を行いました。
アンプリコン解析という手法で、ガベジンのコンポスト中の「細菌 Bacteria」と「真菌 Fungi」について調べました。
細 菌(門レベル)
※数字は%です。右側の棒グラフは少数の細菌を見えるようにしたものです。
※下記文中の数字は上のグラフにはありませんが、元の解析データから細菌名と数字を記しています。
「細菌」は単細胞の生物で、細胞分裂により増殖します。
基本的には、栄養素さえあれば自身のみで増殖でき、ウィルスとは大きく違います。
コンポスト中で、最も多いのは全体の約45%を占めるプロテオバクテリア (= シュードモナス) 門です。
この門には、ガンマプロテオバクテリア綱(20.7%)、アルファプロテオバクテリア綱 (17.0%)、
ベータプロテオバクテリア綱 (2.5%)が含まれています。人の腸内細菌として知られています。
二番目は 放線菌 (アクチノバクテリア) 門です。
この門には、放線菌綱 (14.3%)、アシドミクロビウム綱 (3.0%)が含まれています。
植物の生育に関係する土壌微生物としてよく紹介されています。
堆肥の臭いはこの放線菌の臭いだそうです。
三番目のバクテロイデス門には、スフィンゴバクテリウム綱 (5.8%)、フラボバクテリウム綱 (1.7%)が含まれています。
この門も人の主要な腸内細菌として知られていますが、海洋や土壌にも一般的に見られる種類です。
真 菌(門レベル)
数字は%
「真菌」は、単細胞の酵母や、糸状の菌糸をもつ多細胞の糸状菌であるきのこやカビなどを含みます。
真核生物であり、原核生物である細菌にはないような特徴的な機能がある種類があり、一部はお酒造りや産業用酵素生産などに使われています。 ※北海道大学理学部生物化学科「生き物紹介」より
子嚢菌 (アスコミコタ) 門 が全体の約71%を占めています。
この門には、カンジダ属 (29.7%)、アスペルギルス属 (15.3%)、ネクトリア属 (13.7%)、ペニシリウム (アオカビ) 属 (2.2%) などが含まれます。
二番目の担子菌 (バジディオミコタ) 門には、トリコスポロン属 (4.4%)、コプリノブシス属 (1%) が含まれています。
三番目の接合菌 (ジゴミコタ) 門のほとんどがリゾープス (クモノスカビ) 属 (4.3%)でした。
以上、2022年1月株式会社テクノスルガ・ラボによる解析結果です。
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コンポスタに入り込んだたくさんの微生物が関わり合いながら生ごみを分解していると想像されます。
病原菌と同じ種類の菌も見受けられるので、衛生面には気をつける必要があります。