「生ごみは可燃ごみか」
日本には ”可燃ごみ” というふしぎな言葉がある。ごみ処理分野で使われるふしぎな言葉で、水を大量に含む生ごみが可燃ごみとなっていることだ。
福渡和子さんの著書「生ごみは可燃ごみか」(2015年4月10日発行幻冬舎ルネッサンス新書)の冒頭の言葉です。
たとえば、バーベキューなどで野菜や肉が炎に包まれてもすぐに燃え始めることはありません。
水分を含む物に火が燃えるには、まず水が蒸発してある程度まで水分率が下がってからようやく燃え始めます。
経験的に誰もが知っていることですが、それはそれ、これはこれ。生ごみを処理するために「可燃ごみ」として出すのは、日本の多くの地域では普通の手順として機能しています。
でも、直接目にすることの少ない、自分がごみ出しした後のことに想像を膨らませてみましょう。
—生ごみを燃やすにはどれだけエネルギーが必要か?—
生ごみの水分をすべて蒸発させるにはどれくらいのエネルギーが必要なのでしょうか。イメージできるように、やかんに同量の水を入れてガスコンロにかけたとき、すべて蒸発するまでにどれくらいの時間がかかるのか、Copilotに計算してもらいました。**
[条件] 1日の生ごみ量350g*、水分率を80%とする
7日間で生ごみ量 2,450g (350gx7)、その水分量は1,960g (2,450gx0.8)、ほぼ2リットルです。
水温は20度とします。
1週間分の生ごみの水分量にあたる水2リットルが沸騰・蒸発するには、都市ガス強火で29分かかることがわかりました。
* ガベジンでは1日に200~400g程度の生ごみを毎日入れるのが最も効率よく分解できます。
** Copilot(マイクロソフトのAI)が「温度20度の水2リットルを、ガス強火で熱し、すべて蒸発するまでにかかる時間」を計算してくれました。以下が計算内容です。
1. 水の質量:
– 2リットルの水は2,000グラムです。
2. 水を沸騰させるための熱量:
– 初期温度:20°C
– 沸騰点:100°C
– 温度差:80°C
– 水の比熱:4.18 J/g°C
– 必要な熱量(Q₁)は: Q₁ = 2000 g x 4.18 J/g°C x 80 °C = 668,800 J
3. 水を蒸発させるための熱量:
– 水の蒸発潜熱:2,260 J/g
– 必要な熱量(Q₂)は: Q₂ = 2000 g x 2260 J/g= 4,520,000 J
4. 総熱量:
– 総熱量(Q)は: Q = Q₁ + Q₂ = 668,800 J + 4,520,000 J = 5,188,800 J
5. 時間の計算:
– ガスの強火の出力を仮に3,000ワット(3,000 J/s)とします。
– 所要時間(t)は:
t = 5,188,800 J / 3000 J/s = 1,729.6 秒 約1,730秒、つまり約29分が必要になります。
この計算は理想的な条件下での理論値であり、実際の状況では火力の効率や環境条件によって異なる可能性があります。